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2021/04/08

細胞情報学教室の中村俊崇 大学院生、名黒功 准教授、一條秀憲 教授らが、 低温ストレスによるフェロトーシス誘導機構を解明


細胞情報学教室の中村俊崇 大学院生、名黒功 准教授、一條秀憲 教授らの研究グループは、低温ストレスにより誘導されるフェロトーシスの実行過程においてMICU1がミトコンドリアの膜電位の上昇を介して過酸化脂質の蓄積に寄与することを明らかにしました。本研究成果は、2021年4月6日付でドイツの科学雑誌「EMBO Reports」の電子版に公開されました。

雑誌名:EMBO Reports
論文タイトル:The mitochondrial Ca2+ uptake regulator, MICU1 is involved in cold stress-induced ferroptosis
著者:Toshitaka Nakamura, Motoyuki Ogawa, Kazuki Kojima, Saki Takayanagi, Shunya Ishihara, Kazuki Hattori, Isao Naguro*, and Hidenori Ichijo*(*責任著者)
論文へのリンク:https://www.embopress.org/doi/10.15252/embr.202051532

本研究グループは、細胞が長時間の低温ストレスにさらされると、過酸化脂質が蓄積し、フェロトーシスという細胞死が誘導されることを過去に明らかにしていました。また、臓器を低温保存した際にも同様にフェロトーシスを介した組織損傷が見られることが知られていましたが、低温ストレスにより過酸化脂質が蓄積する分子機構についてはよく分かっていませんでした。
本研究では、ゲノムワイドCRISPRスクリーニングと呼ばれる遺伝子欠損スクリーニングにより、低温ストレスにより誘導されるフェロトーシスに関与する遺伝子を網羅的に探索したところ、MICU1(mitochondrial calcium uptake 1)を新たに同定しました。MICU1はミトコンドリアへのCa2+流入を制御することが知られていましたが、新たに低温ストレスでこのMICU1を介したミトコンドリアCa2+濃度の変化と膜電位の過分極が細胞死の原因となる過酸化脂質の蓄積に寄与することが明らかになりました。
本研究成果により、臓器移植時の低温保存中での臓器損傷を低減する臓器保存薬の開発や、がんや神経変性疾患をはじめとする各種フェロトーシス関連疾患への新規治療薬の開発につながることが期待されます。
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