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2021/11/18

有機合成化学教室の丸山勝矢 大学院生、生長 幸之助 講師、金井 求 教授らが、チロシンにくっついたりはなれたりしてタンパク質機能を制御できる有機ラジカルを開発


有機合成化学教室の丸山 勝矢 大学院生、生長 幸之助 講師、金井 求 教授らが、チロシンにくっついたりはなれたりしてタンパク質機能を制御できる有機ラジカルを開発しました。本研究成果は、2021年11月18日付で、Journal of the American Chemical Society電子版に掲載されました。
 
タンパク質の翻訳後修飾は、タンパク質機能を可逆的に制御する生物学的メカニズムであり、その人工模倣を意図した合成化学研究が検討されています。しかしながら、疎水性アミノ酸を対象に化学結合形成、ひいてはタンパク質機能を可逆的に制御する事例は極めて限られています。
当研究室では、反応性に富み水中でも活用可能な有機ラジカル種に着目し、疎水性アミノ酸との選択的な合成化学的タンパク質修飾法の開発を進めてきました。今回、オキシムから一電子酸化によって生成される「イミノキシルラジカル」を独自に設計し、チロシン選択的タンパク質化学修飾法の開発に成功しました。イミノキシルラジカルの置換基をメチル基一つぶんだけ嵩高くすることで、形成される化学結合が可逆になるという興味深い事実も併せて発見しました。さらにこの可逆的修飾法を応用し、タンパク質機能に深く関わるチロシン残基を修飾・脱修飾に附すことで、酵素活性やモノクローナル抗体の抗原親和性といったタンパク質機能のオンデマンド制御が可能であることも実証しました。本成果は生命科学研究を進展させる化学ツールの創出や生物製剤の新規プロドラッグ化法につながることが期待されます。
 
雑誌名:「Journal of the American Chemical Society」(2021年11月18日付)
論文タイトル:Protein Modification at Tyrosine with Iminoxyl Radicals
著者: Katsuya Maruyama, Takashi Ishiyama, Yohei Seki, Kentaro Sakai, Takaya Togo, Kounosuke Oisaki, Motomu Kanai
DOI番号:10.1021/jacs.1c09066.
論文のURL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.1c09066
 

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