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2022/04/01

基礎有機化学教室の 内山 真伸 教授らと東京工業大学の 田中 健 教授らの共同研究グループが、300通りの可能性からたった1つの分子のみを与える究極の[2+2+2]環化付加反応を開発


基礎有機化学教室の下川拓己大学院生、金澤純一朗特任助教(研究当時)、内山真伸教授と東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の藤井航平大学院生、永島佑貴助教(本研究科卒業生)、田中健教授を中心とした共同研究グループは、異なる3種類の不飽和化合物を混ぜるだけで単一の6員環化合物を与える究極の[2+2+2]環化付加反応を開発しました。医薬・農薬・機能性材料に多く見られる6員環化合物を、簡便に安価に合成する手法の1つとして開発された[2+2+2]環化付加反応ですが、反応の制御が難しく、生成しうる化合物のパターンは統計学的には300種類を越えるため、望みの分子のみを得ることは極めて難しいとされてきました。今回、共同研究グループはカチオン性ロジウム触媒を用いて、1分子のアルケンと異なる2種類のアルキンを1分子ずつ(計3分子)を混ぜ合わせるだけで、統計学的に想定される300種類以上の生成物の中からたった1種類の分子のみを合成できる究極の[2+2+2]環化付加反応を開発しました。また、理論計算を用いてその反応機構や制御メカニズムの全容解明にも成功しました。
本研究成果は、2022年3月28日付で英国の科学雑誌「Nature Synthesis」誌(オンライン版)に掲載されました。
 
発表論文
掲載雑誌名: Nature Synthesis
論文タイトル: Stereoselective Cyclohexadienylamine Synthesis through Rhodium-catalyzed [2+2+2]-Cyclotrimerization
著者: Kohei Fujii, Yuki Nagashima, Takumi Shimokawa, Junichiro Kanazawa, Haruki Sugiyama, Koji Masutomi, Hidehiro Uekusa, Masanobu Uchiyama*, and Ken Tanaka*
DOI: 10.1038/s44160-022-00043-2
 
論文へのリンクはこちら:
https://www.nature.com/articles/s44160-022-00043-2
 
詳しくはこちら
 

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