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2021/11/16

分子生物学教室の原田雄仁 特任助教、川口大地 助教、後藤由季子 教授らが、一生にわたり維持される神経幹細胞ができる仕組みを解明


哺乳類の脳には神経幹細胞が存在し、生涯にわたり神経細胞を産むことで学習・記憶、脳の損傷修復、本能行動などに貢献します。成体脳での神経幹細胞の異常が、様々な精神疾患や神経変性疾患の症状に関与する可能性が報告されています。先行研究によって、マウス成体の神経幹細胞は、胎生期において細胞分裂が抑制された特別な細胞集団(起源細胞)に由来することが明らかとなりました。しかし、細胞分裂の抑制がいかにして起源細胞の出現につながるのかは不明でした。
 今回、東京大学大学院薬学系研究科の原田雄仁特任助教、川口大地助教、後藤由季子教授らの研究グループは、胎生期の神経幹細胞の分裂抑制により、Notch-Hey1経路が活性化することを見出しました。さらに、Hey1が安定した発現様式を示すことで、分化遺伝子の発現を持続的に抑制し、起源細胞の形成・安定維持に貢献することを発見しました(図)。この研究は、一生維持される神経幹細胞が形成される初めのステップを明らかにしたものであり、精神・神経疾患の発症機序の理解や、幹細胞を利用した脳の損傷に対する治療に繋がることが期待されます。
 
 本研究成果は、日本時間11月12日(金)付で米国科学誌Nature Communicationsに掲載されました。
雑誌名:Nature Communications(11月12日オンライン版)
論文タイトル:Cell cycle arrest determines adult neural stem cell ontogeny by an embryonic Notch-nonoscillatory Hey1 module
著者:Yujin Harada, Mayumi Yamada, Itaru Imayoshi, Ryoichiro Kageyama, Yutaka Suzuki, Takaaki Kuniya, Shohei Furutachi, Daichi Kawaguchi* & Yukiko Gotoh*
DOI番号:10.1038/s41467-021-26605-0
論文へのリンク:https://www.nature.com/articles/s41467-021-26605-0
 
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