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2025/10/27有機合成化学教室の井上丈司 大学院生、川島茂裕 准教授、三ツ沼治信 助教、金井求教授らがPCET機構を用いた高効率的光脱炭酸触媒の開発に成功
東京大学大学院薬学系研究科の井上丈司 大学院生、川島茂裕 准教授、三ツ沼治信 助教、金井求 教授らの研究グループは、プロトン共役電子移動(PCET、Proton-Coupled Electron Transfer)機構に着目し、身の回りに広く存在するカルボン酸を高効率に脱炭酸できる新しい光触媒を開発しました。
ラジカル脱炭酸反応は、入手容易なカルボン酸を原料として高反応性化学種である炭素ラジカルを生成する重要な変換反応です。しかし、これまでの触媒は反応可能な基質が限られており、芳香族カルボン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸などを含めた広範な基質を変換できる触媒はありませんでした。
本研究では、アントラキノン骨格に窒素原子を組み込んだアザアントラキノン分子を設計し、PCET機構を活用することで、これまで困難であった基質の脱炭酸を実現しました。この新触媒は、幅広いカルボン酸を効率的に反応させることができ、従来の光触媒を大きく上回る反応性を示します。これにより今まで用いることが難しかった芳香族カルボン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸を原料とした複数のラジカル変換反応を実現しました。本研究成果は、医薬品や機能性材料などの効率的合成に加え、近年環境問題として注目されるPFAS類のアップサイクリングへの応用が期待され、持続可能な社会の実現に寄与するものと言えます。
本研究成果は2025年10月23日付でJournal of the American Chemical Society ウェブサイトに掲載されました。
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
題目:Azaanthraquinone PCET Catalysis Enables Chemoselective Decarboxylative Functionalization of Diverse Carboxylic Acids
著者:Takeshi Inoue, Daiki Tomiya, Masaaki Fuki, Yasuhiro Kobori, Masahiro Higashi, Kaito Uesaka, Akira Yamakata, Shigehiro A. Kawashima, Kenzo Yamatsugu, Harunobu Mitsunuma, and Motomu Kanai
DOI:10.1021/jacs.5c10807
論文へのリンク:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c10807
ラジカル脱炭酸反応は、入手容易なカルボン酸を原料として高反応性化学種である炭素ラジカルを生成する重要な変換反応です。しかし、これまでの触媒は反応可能な基質が限られており、芳香族カルボン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸などを含めた広範な基質を変換できる触媒はありませんでした。
本研究では、アントラキノン骨格に窒素原子を組み込んだアザアントラキノン分子を設計し、PCET機構を活用することで、これまで困難であった基質の脱炭酸を実現しました。この新触媒は、幅広いカルボン酸を効率的に反応させることができ、従来の光触媒を大きく上回る反応性を示します。これにより今まで用いることが難しかった芳香族カルボン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸を原料とした複数のラジカル変換反応を実現しました。本研究成果は、医薬品や機能性材料などの効率的合成に加え、近年環境問題として注目されるPFAS類のアップサイクリングへの応用が期待され、持続可能な社会の実現に寄与するものと言えます。
本研究成果は2025年10月23日付でJournal of the American Chemical Society ウェブサイトに掲載されました。
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
題目:Azaanthraquinone PCET Catalysis Enables Chemoselective Decarboxylative Functionalization of Diverse Carboxylic Acids
著者:Takeshi Inoue, Daiki Tomiya, Masaaki Fuki, Yasuhiro Kobori, Masahiro Higashi, Kaito Uesaka, Akira Yamakata, Shigehiro A. Kawashima, Kenzo Yamatsugu, Harunobu Mitsunuma, and Motomu Kanai
DOI:10.1021/jacs.5c10807
論文へのリンク:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c10807
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